今回は「季節の薬膳」のお話をしたいと思います。
日本には四季があり
陽が長くなったり短くなったり、暖かくなったり寒くなったり
四季があるおかげで飽きることなくそれぞれの季節を楽しむことができ、
気候が変わることで旬の食材も変わり、また体にも変化が起こります。
薬膳では春・梅雨・夏・秋・冬の5つの季節に分けて考えます。
ここでは春に起こりやすい症状と食べると良い味をお伝えしていきたいと思います。
▶︎春は立春から立夏までの3ヶ月間
立春(2月4日頃)から立夏(5月6日頃)を春とします。
冬の寒い気候からだんだんと暖かくなり、植物は芽吹き、動物たちも目ざめて
外に出て行くようになります。
春になり暖かい春風を感じると『陽の気』が徐々に高まっていき、
力が充実しエネルギーに満ちあふれていきます。
春は伸びることが好き、腕を大きく上げて背伸びをするようなイメージです^^
春には「肝」の働きが活発になります。
東洋医学でとらえる「肝」は、血液を貯蔵し全身を循環している血流量の調整、
解毒をすること。
「肝」の働きがうまくいかないと、情緒不安定や不眠、イライラ、怒り、うつ状態
などの症状が出やすくなります。
春は上半身を傷めやすくなるので、頭痛、めまい、目の充血、鼻づまり、のどの痛み、
軽いせきなどの症状がみられます。
中国の古典『黄帝内経』には、春の養生として
「夜更かししても良いが、朝は早く起きる。体をのびのびと動かす」と書かれています。
朝寝坊は陽気の発生をさまたげてしまうのでもったいない!
春は特に早起きを心がけたいですね。
ゆったりとした服を着て、精神的にもリラックスをしてのびやかに過ごしましょう!
▶︎春に食べると良いものは?
春の味は「酸味」です。酸味は「肝」に一番入りやすく、肝の働きを正常にしたり
補ったりしてくれます。
酸味は、レモン、りんご、酢、梅干しなど。
ただし、酸味には収斂・固渋というギューっと引き締める作用があるので、
摂りすぎると陽気の発生を抑えてしまいます。
健康な人、体が丈夫な人、高血圧や怒りっぽい人は多めに取ってもOK。
冷え性の人、体質が弱いと感じている人は控えめにしましょう。
臓器はそれぞれ独立して働いているわけでなく、お互いに影響しあって働いています。
「肝」と「脾・胃」は密接な関係でつながっているため
春は「肝」だけでなく「脾」を養うことも大切です。
「脾・胃」に一番入りやすいのは甘味です。
甘味の食材も取り入れると脾・胃の働きを助け消化を促進します。
お米、野菜、豆類、肉や魚など多くのものが甘味になりますので、
いろいろな食材を食べてねってことになりますね(笑)
春の薬膳のオススメ食材はまた別の記事でお伝えしたいと思います^^